はじめに

この文章は、遊ぶ会のTRPGコンベンションにおけるゲーム紹介文の書き方を示したサンプルです。
この文章に登場するゲームマスター、TRPGシステム、シナリオ等は実在しません。読み物としてお楽しみください。
(サンプル作成者:千葉千夏)


ゲームマスターの名前、自己紹介

遊ぶ会 イーハトーブ支部管理人の千葉千夏と申します。
ファンタジー世界の資料集として、ソード・ワールドRPGのルールブックを購入したところから、TRPGを知りました。
もう少し遠出が自由にできるようになったら、岩手でTRPGコンベンションをやりたいです。

システム名、システムの紹介

「自作キーボードTRPG ~最高のEnd Gameを目指して~」

自作キーボードという趣味をご存知でしょうか。パソコンなどの文字入力で使われるキーボードにおいて、部品を集めて独自のキーボードを組み立てたり、キーのレイアウトや文字入力方法をカスタマイズして、自分だけのベストなキーボードを作り上げる趣味です。

プレイヤーは、〈鍵盤人〉と呼ばれる自作キーボードショップの凄腕店員になって、そんな趣味に足を突っ込んだお客様の困りごとを解決していきます(店員だけではなく、「お店の常連客」「キーボードメーカーの社員」「キーボードデザイナー」などを選ぶこともできます)。

あなたたちのお店には、時折、両手が淡い金色に輝く〈神の手〉と呼ばれる客が迷い込んできます(〈神の手〉の光は〈鍵盤人〉にしか見ることができません)。
彼らは自覚していませんが、例外なく、世界を変える〈創作物〉――小説や論文、プログラムやWebサイト、3Dモデルやイラスト、果てはオフィス文書やSNSの書き込みに至るまで――を作ることができる存在です。

店を訪れる〈神の手〉は、今使っているキーボードに不満があり(あるいはキーボードを手にしていないため)、〈創作物〉を作るに至っていません。
あなたたち〈鍵盤人〉の使命は、〈創作物〉を生み出すことができるキーボードを〈神の手〉に提案し、購入してもらうことです。

そのためには、〈神の手〉が必要とするキーボードの仕様をヒアリングし、部品の調達や組み立て、場合によってはオリジナルキーボードの設計や既製品キーボードの調査、(〈神の手〉自身でキーボードを組み立てたいということであれば)組み立て方法の説明などを行う必要があります。
得意な技能がそれぞれ異なる〈鍵盤人〉の力を合わせて、「最高のEnd Game」に至るキーボードを作って(提案して)いってください。

対応可能プレイヤー数

2~4人

TRPG初心者対応可否

可。TRPGを楽しもうという気持ちがある方であれば歓迎します!

システム初心者対応可否

可。自作キーボードのイメージがわかないという方のために、当日はいくつか自作したキーボードを持参します(みんな見てー!)。

プレイヤーが使用するダイス(サイコロ)

6面体のダイスを2個使います。

使用ルールブックなど

「自作キーボードTRPG ~最高のEnd Gameを目指して~」基本ルールブックを使用します。
プレイヤーの方はお持ちでなくても大丈夫です。

また、今回はオプションルールの「プレイヤーによるキーボードの組み立て」「プレイヤーによる基板へのはんだ付け」を使用します。
必要な工具、部品等はゲームマスターが持参します。
キーボードの組み立てやはんだ付けの方法についても、ゲームマスターが教えますのでご安心ください。

キャラクター作成、持込可否について

基本ルールブックに掲載されているサンプルキャラクターの中から選んでいただきます。プレイヤーが作成したキャラクターの持ち込みはご遠慮ください。

シナリオ名、シナリオの出典

「イラスト制作用の左手デバイスがほしい」
基本ルールブック収録のシナリオです。

シナリオのあらすじ、注意事項など

自作キーボードショップ〈ジョイファクトリー〉で働くあなたたちの元に、キーボード案内人の泉ミチルが友人を連れてきました。
彼女はタブレット端末でイラストを描いていて、「左手デバイス」という小さいキーボードに興味があるということです。

店内に展示してあるキーボードのサンプルを見て、彼女は次々と希望を挙げていきます。
「ケーブルとかないほうがいいなあ」
「このダイヤルとか便利そうだけど、キャンバスのサイズを変えたりとか、ペンのサイズを変えたりとかしたいから、1つで足りるかなあ」
「ボタンはけっこうほしいかなあ」
「パステルカラーで、ちっちゃくて、かわいいのがいい!」

息つく暇もなく語る彼女の両手は、ほのかに金色に輝いています。
あなたたちは確信します。彼女は〈神の手〉だと。
彼女が本当に必要なキーボードを手にし、世界を変える〈創作物〉を生み出せることができるかは、あなたたち〈鍵盤人〉の腕にかかっています。


誰かの役に立ちたい方、力を合わせて何かを作りたい方、細かいパーツが好きな方、はんだ付けに興味がある方のご参加をお待ちしております。

参考文献

力造/N.G.P.著『歌舞伎町伝説RPG ナイトバタフライ』